あほな話

誰かが読んでくれると嬉しい話

病院がつらくなった

都心のある立派な大病院で人間ドックを受けたのだけど、
これが後日もつらかった。検査の苦痛を避けられるコースを
選んだのに、なぜか帰宅してからがつらかった。
苦痛の強い検査にだけ、麻酔を追加してもらったのも
後で怖くなった。検査中の意識も記憶も完全に無くて、
気が付いたらふかふかのソファーに横たわっていた。
「あれ?ここはどこだ?病院みたいな音がする。確か、
これから検査うけるとこだった。もしかして終わってた?」
始終、職員や検査技師さんたちは優しく親切、丁寧に接してくれた。
ただ、記憶が完全に途絶える経験は初めてだった。
もしかして死はこんなものかもしれないと思った。


何でもコロナのせいにするのは違うと思うけど、
最近だんだんと病院が苦手になってきている。
昔から何度も、我慢できないほど苦しい症状で
病院の診察や検査を受けても、手ごたえのある対処が無く
適当に薬を処方されて、それを指示通りに飲んでも
その薬の効果も実感できないまま、結局、自然治癒で
何とか治っていたのが、歳とともに治らなくなって
それが持病になって、今までの長年の経験と記憶から、
健康診断や通院や人間ドックで「助かった」という感覚よりも
「行くだけ体力を消耗して無駄だった」感じのほうが強くなった。
若い時は、簡単で苦痛もない健康診断だけだったのが、
ある歳から、時に苦痛の強い検査もある人間ドックに変わって、
それが年齢とともに、苦痛が増すだけでなく、検査項目の多さと
病院のシステムが認知症気味の私にとって難解で、
昔は気に入っていた都心の大病院が不気味な迷宮に変わった。