あほな話

誰かが読んでくれると嬉しい話

落としたり失いたくないものは何

昔からなぜか自分の命に危険を感じることが多かった。
しかも、その時の周囲の人たちからの視点では、
どう見てもそんな危険どこにもないので、
頭のおかしなやつにしか見えなかっただろうと思う。


命というものを落とさずに保ち続けることは難しいことだ。
物理的なものを床や地面に落としてしまったとき、
「これが命でなくてよかった」と思うとともに、
もしかして、命もいつかこうして落とすかもしれないと、
感じていたことが、些細なことで恐怖を感じ、
冷静を失って激怒してしまう原因かもしれない。


私が今知る人たちはほぼ例外なく、命というものを他の何よりも
大切にするあまり、命以外のすべてをないがしろにしてまで
「命だけ」を死守している。「命だけあるが他は何もない」
そういうものを人間の手で作り出す人もいる。
それを利用して、死守したい別の命を守るためだ。
しかし私は、そういうことは嫌だ。


そう、何かが違う。


私が落とす危険を感じていた「命」は、「他は何もない命」ではなく、
「魂」や「自分という意識」みたいな別のものかもしれない。
このまま黙っていると、私はそれを失い、「他は何もない命」だけしかない、
好きでもない者たちのために利用されるだけで要らなくなったら捨てる
「道具」になってしまう恐怖だったかもしれない。