あほな話

誰かが読んでくれると嬉しい話

変な夢を見た

一睡もできないほど嫌なことがあった翌日、
本当に死にたくなるほど落ち込んでいた。
それでも平気なふりを強いられる苦しい生活。
ある日の明け方少しだけ眠れたときに、
いつもの悪夢とは違う夢を見た。
それはこんなものだった。
ある有名な歌手に私の容姿が酷似しているからって、
その人に成済ましてライブイベントに出場させられた。
しかも私は音痴過ぎて歌えない。それでも、当日まで
準備も練習も何もしておらず、ぶっつけ本番だった。
しかし、直前に言われたことは、「参加者たちは
自分たちが完全にコントロールされているとは知らず、
成済ましがばれるようなことは一切起きない」だった。
だから、私は参加者の期待に応える形ですべてが進むらしい。
とはいえ、いったいどういう展開になるのか私は知らなかったので、
いつか成済ましがばれる時が来るかもしれないと思った。
ところが、参加者たちは私が登場した瞬間からずっと、
私が黙っていようが何をしようが少しでも動くたびに
発狂したように延々と歓喜して躍り上がっていた。