あほな話

誰かが読んでくれると嬉しい話

成熟しない進化

誰かと同じように私も、人間という存在を特別視し過大評価していた。
人々が互いの個人的領域まで簡単に知ることができる時代になり、
ほとんどの人間が衝動でしか動けない動物とたいして変わらない
事実に最近やっと気づいた。そして、「命」について人間にだけ
特別に価値を高くする価値観もどこまで持続可能だろう。


世間知らずな失言をやらかす野郎も、それにハラスメントだ
人権侵害だと騒ぐ人たちも、肝心なことで勘違いしていたり、
本能や衝動だけで行動する動物のように私には見えるようになった。
女性たちが今の社会で生きていく困難さを知らない無知による
失言野郎の言動を、差別だ蔑視だと非難しても、彼の無知は
何ら対処されることなく、何度も同じ過ちを繰り返すだろう。
周囲の人たちから孤立して遠くから観察していると、
ふだん親に甘やかされている幼い子供が、
公共の場で求められるマナーを理解する能力がまだなくて、
その子の動物的欲求に親があきらめて屈するまで、
耳をつんざくようなギャーギャー奇声を爆発させることに似ている。


彼らは幼いし未熟だ。成熟した野生動物のほうが大人に見える。
無知な男も、くだらない失言で騒ぐ人も、ギャーギャー幼児も、
永遠に長生きしそうな老害も、高度な理解と手厚い配慮を
当然の権利として他人に求める障害者も、
誰も成熟してない。一体だれが成熟しているのか。
それでも、探せば成熟した人がどこかにいるとすれば、
その人はどんな感じだろう。
無知で未熟な子供を上手に操って育てる親みたいな感じか。
心身ともに自立していて自分以外を操る賢い人が大人だろうか。
もしかして、それは悪党を操って束ねるボスかもしれない。